- Q1:ヒートシンク過昇温警報エラー3(Err3)が発生した。
- A1:ヒートシンク温度が異常に上昇しています。警報発生時には運転を停止しますので、温度が下がれば電源再投入で復帰します。冷却ファンの回転を確認し、回転していない場合や風量が低下している場合は交換してください。サイリスタの設置場所の温度を確認し、使用温度範囲を満足しない場合、盤クーラ等による冷却手段を講じてください。
- Q2:運転異常エラー4(Err4)が発生した。
- A2:サイリスタ本体の故障です。直ちに運転を中止してください。
- Q3:サイリスタ素子異常エラー6(Err6)が発生した。
- A3:無負荷運転またはサイリスタモジュールの故障が原因です(無負荷運転の場合が多い)。 負荷が接続されていることを確認してください。負荷側に問題がなければ、素子の故障ですので引取修理となります。
- Q4:電源異常エラー7(Err7)が発生した。
- A4:電源電圧が定格の85%以下に低下すると出ます。電源電圧を確認ください。
- Q5:速断ヒューズが溶断する。その原因は何ですか?
- A5:例えばヒータと炉体との接触による地絡、導電性物質の付着による短絡が原因となることが多いようです。ヒータの絶縁確認およびヒータと炉体の位置関係の把握や(昇温するとヒータが膨張し、炉体と接触する場合があります)、炉体の清掃が対策として有効です。
- Q6:出力が出っぱなしであるが、何が原因ですか?
- A6:要因として入力、サイリスタ、負荷の3つがありますので、切り分けが必要です。最初に入力を確認してください。無負荷あるいは軽負荷の場合、ほぼ電源電圧が出っぱなしとなります。負荷電流が小さいので、容易に識別できます。サイリスタ素子が短絡故障した場合や、電流フィードバックおよび電力フィードバックFBでCTを接続していない場合は出力電圧と電流が出っぱなしになります。
- Q7:ヒータ断線警報の考え方を教えてください。
- A7:出力電圧と電流からヒータ抵抗値を演算し、初期抵抗設定値に対して、ヒータ抵抗値が断線率設定値を超えると警報を出します。断線率の設定範囲は+10%から+100%ですので、断線だけでなく、ヒータの劣化や並列接続した複数本中の1本の断線も検出できます。
- Q8:トランスを負荷として使用する時の注意事項は?
- A8:鉄心の偏磁を抑制するため、トランスの磁束密度は1.2T(テスラ)以下を推奨します。 また、無負荷時の影響を低減するため、トランスの一次側に0.5A以上流れるブリーダ抵抗を設置してください。ブリーダ抵抗の定格電力は余裕を持たせ(3倍以上を推奨)、同時に盤の 熱設計に反映させてください。
- Q9:寿命のある部品はありますか、また交換時期の目安は?
- A9:冷却ファンと制御基板です。使用環境や運転条件により異なりますが、標準的な交換時期の目安は冷却ファンが約2~3年、制御基板は約5~7年です。
- Q10:ヒータの種類によりサイリスタの形式が違うようだが、ヒータの種類とは何ですか?
- A10:ヒータ抵抗の温度特性によって分類しています。抵抗温度係数が小さいニクロム系、抵抗温度係数が大きい純金属系や二硅化モリブデン系、抵抗温度係数がUの字特性を示す炭化ケイ素系(SiC)の3種類です。サイリスタはそれぞれ電圧、電流、電力フィードバック形が適しています。
- Q11:JS、JTからJU、JWに切り替えたが、CTはそのまま使用できますか?
- A11:CTの出力仕様が異なるため、使用できません。(CTの二次側出力:JS,JT用は0.5A、JU,JW用は5Aです。)
- Q12:運転直後にステータス表示のEV3が点滅します。原因は何でしょうか?
- A12:無負荷運転の時にも出るエラー表示です。必ず負荷を接続して運転させてください。
無負荷運転でトランス一次制御の場合は、トランス損焼、ヒューズ溶断になる場合があります。
なお、負荷を接続している状態の場合は、サイリスタモジュールの故障ですので、修理のご依頼をお願いします。
- Q13:速断ヒューズの溶断警報が働くとどうなりますか?
- A13:運転は停止します。ステータス表示のEV3が点灯します。
- Q14:一次側のブレーカについて、選定容量の目安は?
- A14:負荷電流の1.4倍以上を選定してください(三菱電機殿の推奨値)。
- Q15:速断ヒューズについている溶断検出用のマイクロスイッチは互換性がありますか?
- A15:互換性がありますので、速断ヒューズ交換時に引き抜き、再度取付けます。