保護管
熱電対または測温抵抗体が、被測温物や雰囲気などに直接接触しないように機械的・化学的に保護するためのものです。保護管選定条件として以下の項目が考えられます。(金属保護管と非金属保護管の二つに大別されます。)
- 測定温度および圧力に充分耐えること。
- 被測温物や、雰囲気の腐蝕性に耐えること。
- 気密性が高いこと。
- 熱衝撃に耐えること。
- 振動・衝撃などの機械的ショックに耐えること。
- 保護管自身が測温部にとって、有害なガスを発生しないこと。
- 時間遅れが少なく、応答が速いこと。
金属保護管
材質 | 常用温度 | 最高温度 | 特性 |
---|---|---|---|
SUS304 | 900℃ | 1000℃ | 18%クローム、8%ニッケル鋼。耐蝕性・耐熱性に優れる。硫黄・還元性ガスに弱い。 |
SUS316 | 900℃ | 1000℃ | モリブデンを含み、耐熱・耐酸・耐アルカリ性に優れる。SUS304より耐蝕性に優れる。 |
SUS310S | 1000℃ | 1150℃ | ニッケル、クロム成分が多く耐熱性に優れる。硫黄を含む高温高濃度ガスに弱い。 |
NCF600 (インコネル600) |
1050℃ | 1150℃ | ニッケル合金でSUS310Sと同等の耐熱性あり。 亜鉛・都市ガスなどに比較的適するが、硫黄に弱い。 |
SUH446 (サンドヴィックP4) |
1000℃ | 1200℃ | フェライト系Cr鋼。耐熱・耐蝕性に優れ硫黄・還元性ガスに強い。 |
カンタル | 1100℃ | 1350℃ | 高温で機械的強度大。酸化雰囲気、硫化ガス炭素ガスに強い。Cr22、AL5.3%残りFe。 |
チタン | 250℃ | 500℃ | 化学的耐蝕性はSUS304より優れる。高温では、脆くなる。 |
SUS316L | 900℃ | 1000℃ | SUS316のカーボン量を少なくした鋼。耐粒界腐蝕性材料である。 |
ハステロイC | 1000℃ | 1100℃ | 塩化第2鉄・塩化第2銅・塩素ガスに優れる。 |
テフロンコーティング | 200℃ | 250℃ | SUS304にFEP樹脂をコーテイング。低温度の耐薬品性大。最長2mまで可能。 |
KTA-KU50 | 1150℃ | 1200℃ | Co基合金。耐熱・耐摩耗に優れる。硫黄ガス、バナジウムなどに強い。 |
非金属保護管
材質 | 常用温度 | 最高温度 | 特性 |
---|---|---|---|
硬質ビニール | 60℃ | 100℃ | 低温用(ただし-10℃以下は不可)。腐蝕性液体に適する。 |
石英ガラス | 1000℃ | 1050℃ | 熱膨張係数・熱容量が小さく熱衝撃に強い。アルカリに弱く酸性に強い。水素・還元性ガスは浸透する。 |
高々アルミナ(PT1) | 1500℃ | 1550℃ | 気密性大。溶融金属・燃焼ガスに強い。金属酸化物、アルカリに弱い。 |
純焼結アルミナ(PT0) | 1600℃ | 1900℃ | 溶融金属・ガラス・鉛類スラグに耐える。気密性大。熱衝撃に弱い。 |
炭化珪素 | 1400℃ | 1700℃ | 熱衝撃に強い。気密性に欠ける。高温で電気の導体となる。 |
窒化珪素 | 1200℃ | 1600℃ | 酸、酸性塩に強く熱衝撃に強い。機械的衝撃に弱い。非鉄金属の溶融に強い。 |
テフロンチューブ | 200℃ | 250℃ | 低温度の耐薬品性大。(FEP樹脂)フランジ付も製作可能。 |
※その他の仕様はカタログをご覧ください。