カスケード制御の構築

 
カスケード制御の構築方法について説明します。
2次調節計に対しリモート入力付きの形式を選ぶ必要があります。
その他、配線や調節計の設定値について説明します。




カスケード制御には2台の調節計(1次調節計と2次調節計)が必要です。

下図の例において、制御温度は容器内の温度です。この容器内温度(内温)を受ける調節計を1次調節計と呼びます。一方ヒータ温度(外温)を制御する調節計を2次調節計と呼びます。1次調節計のMVを2次調節計のSVとして受け取ります。

カスケード系

1次調節計のMVと2次調節計のSVが連動して動く。

カスケード制御のセッティング方法
(設定前に動力電源がOFFであることをご確認ください。)

① 調節計の選定(推奨機種)

1次調節計:カスケード定数a,b,c 使用時のみDP-Gを選定。
※(参考)カスケード定数の設定方法

2次調節計:「リモート信号入力」を選定。
※1次側の出力信号と一致させてください。

※ DB630 はリモート信号入力オプションがありません。したがって、2 次調節計としては選ぶことはできません。

②必要箇所の配線

↑ 2次調節計の背面R/L 端子の短絡とリモート信号入力
  • 2次調節計で、R/L 端子を短絡してください。
  • 1次調節計の出力信号(orアナログ伝送信号(MV))と2次調節計のリモート信号入力を接続してください。

③2次調節計の設定

  • 以下、3箇所を設定してください。
    リモートスケールH:センサスケールと同じ。
    リモートスケールL:センサスケールと同じ。
    R/L 切替:リモートに設定します。
    ※設定箇所 DB600 → MODE c をご覧ください。
                  DB1000 → MODE 1 とMODE2 をご覧ください。
  • 1次調節計をマニュアル出力に変更し、2次調節計のSV が振動している場合はリモートフィルタを設定し、振動を取り除いてください。

④2次調節計のPID 調整

  • R/L切替でローカルに戻してください。
  • オートチューニング(AT)を行ってください。SVは制御温度安定時のヒータ温度が理想です。

⑤1次調節計のPID 調整

  • 2次調節計のR/L切替でリモートにしてください。
  • 1次調節計のオートチューニング(AT) を行ってください。

カスケード制御の構築